片野
【かたの】

旧国名:伊勢

古くは肩野・交野とも書く（新撰姓氏録・旧事記）。雲出川とその支流波瀬川の合流点の南岸部に位置する。八ケ坪という条里遺構を思わせる小字名が残る。古代に片野物部の一族が居住したといわれ（一志郡史），地内の神明神社は片野氏の氏神と伝えられる。また，同神社の境内には伊勢国司北畠教具の母の館址があり，北畠国永の歌集にも「君が住む片野の春の花盛　尋ねざらめや名にめでてだに」とある（勢陽雑記）。なお，「続群」本舟木氏系図によれば，文亀年中に土岐孫八頼治が国司に背いたため，城を没収され，当地に退いたという。
【片野村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【片野(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7126014