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香肌峡県立公園
【かはだきょうけんりつこうえん】


県中西部,櫛田川上流部の渓谷を中心とした県立公園。昭和28年10月1日県立公園に指定。面積2万4,764ha,全域が普通地域。松阪市(1,867ha)・勢和村(2,600ha)・飯南町(6,579ha)・飯高町(1万3,718ha)の1市2町1村にまたがる。この一帯が古くから茶・シイタケ・アユなどの香り高いものの産地であったところから香肌の名がおこったといわれるが,櫛田川上流約40kmを指し,最奥部は奈良県と境を接する。至るところに変化に富んだ奇岩・滝・淵・急流があり,秋の紅葉の景観は格別である。櫛田川支流蓮川の宮の谷・江馬小屋を中心とした蓮渓谷,そそり立つ巨大な岩石群や風折の滝をはじめ,御所の滝・高滝など大小様々な滝・深淵・急流が深い原生林を背景に一大絵巻を繰り広げ,ハイカー・キャンパーの目を楽しませる。公園最奥端部にそびえる台高山脈中の高見山(1,249m)からの眺望にも優れ,晴れた日には富士山を遠くに望むこともでき,冬の霧氷の美しさは定評がある。公園一帯は温帯性落葉樹林が分布する。また,ムカデランやシャクナゲ・ヤマツツジ・ヒメツツジ・オニユリ・サクラなどが四季を通じて咲き乱れ,北畠氏の奉祀した不動像を安置する荒滝不動はツツジの名所,大梵鐘で知られる泰運寺はサクラの名所として有名。数多くの動物も生息し,ホンシュウジカ・カモシカ・イノシシ・サルの姿がみられ,清流にはアマゴ・アユ・マスが生息する。歴史的には,古くから開けた和歌山街道(国道166号)が通じ,参勤交代や伊勢参宮の旅人でにぎわいをみせた高見峠,波瀬本陣跡,泰運寺,水銀で有名な丹生大師など数多くの史跡を残す。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7126050