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七里の渡し跡
【しちりのわたしあと】


桑名市船馬町にある渡船場跡。昭和33年指定の県史跡。慶長6年に定められた宿駅制度によって設けられた,東海道の桑名宿と尾張国熱田(あつた)宿を結ぶ海上航路を七里の渡しと称した。桑名宿では川口港が渡し場で,約70隻の船が用意されていた。熱田宿までは約3~4時間の行程。また,風によって海が荒れたときは脇往還の佐屋路(三里の川船)が利用された。川口港は桑名宿の入口のみならず,伊勢国の入口でもあったので,天明年間に伊勢神宮の一の鳥居が建てられた。昭和34年の伊勢湾台風によって周囲の石垣が壊され,七里の渡し跡はコンクリート堤防の外側となっており,わずかに一の鳥居と常夜灯が残っている。なお,七里の渡しの運賃は寛永2年時に1人17文,正徳元年に45文,天明5年には63文であった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7127131