長島港
【ながしまこう】

北牟婁(きたむろ)郡紀伊長島町，赤羽川河口にある地方港湾。県内随一の水揚げを誇る漁業基地で，大阪・東京方面へ輸送される。建設資材用の砂・砂利・石材を近港へ，ヒノキやスギの原木を東京・名古屋方面へ移出。昭和27年９月１日地方港湾に指定。港域面積は5.2km(^2)，入港船舶総数３万7,984隻・総ｔ数55万3,527t，移出貨物32万9,455t・移入貨物13万248tである（昭和55年）。長島～錦間に通学用定期船が運航していたが，国道260号の開通により，昭和53年10月26日に廃止された。港域の一部に江の浦があり，西岸の横城から町文化財の須恵器の高坏や金環・刀剣などが出土。古墳もあったという。入江の入口は干潮時には歩いて渡れるほど浅く，船の通行は困難であったため浚渫して，港として利用されるようになった。入江の奥には長島造船がある。江の浦入口には昭和46年に完成したループ式の江の浦大橋（全長414m・幅6.5m）がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7128194