本町③
【ほんまち】

旧国名:伊勢
(近世~近代)江戸期~現在の町名。明治初年から同22年まで久居を冠称。江戸期は久居城下の1町で町人地。地名は,久居城下のうちで寛文年間に初めて人家が建てられた本(もと)町であるところから名付けられたという。江戸初期の久居城下古図や享保2年の伊藤家文書に町名が見える(久居市史)。文政11年の家数152。藩医小屋延菴,町大庄屋信藤武左衛門が住み,久米屋・大森屋の商家がある。明治4年油正醸造,同28年一志銀行(のち百五銀行と併合)が創建された。戸口は,明治20年175戸・798人。稲荷社を祀っていたが,同41年二ノ町の野辺野神社へ合祀された。明治22年久居町,昭和45年からは久居市に所属。昭和33年商工会館を建設,商工活動の拠点としたが,主要地方道久居美杉線の道路が狭く,交通機関の急速な発達により,商工の中心地は新興の新町へ移行した。世帯数・人口は,昭和45年222・840,同50年200・680。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7129217 |