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三渡川
【みわたりがわ】


松阪市西部の鉢ケ峰(420m)に源を発し,一志(いちし)郡嬉野(うれしの)町・三雲村を経て伊勢湾に注ぐ。2級河川。流長約8km。古代・中世には泪川(涙川)とも呼ばれた(伊勢歌枕考・鴨長明伊勢記)。古代から伊勢街道(参宮街道)の渡河地であったが,河口に近いため潮の干満の状態により渡河場所が3か所あったことにより三渡と呼ばれた(三国地誌)。上流,鉢ケ峰の山麓では扇状地を形成,松阪市大阿坂町・小阿坂町などの集落は扇頂に立地する。扇央では河水が伏流して涸川となり,中・下流部では天井川のため平常時の流水は少ない。そのため,流域には近世,捨田(しやくでん)・大池・小池などの灌漑用溜池が造られたが,昭和48年一志南部用水の完成に伴い,その役割は減少した。流域は,扇央に一部桑畑が残有する以外は水田が卓越する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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