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老蘇の森
【おいそのもり】


蒲生(がもう)郡安土(あづち)町大字東老蘇にある森。老曽(新古今集)・追初(源平盛衰記)・息磯(夫木抄)とも書く。歌枕の地で,ホトトギスの名所とされ,想い出または老いの哀しみを森に託して用いられた。「郭公なほ一声は思ひいでよ老曽の杜の夜はの昔を」(新古今集),「かくて世にわが身時雨は降り果てぬ老曽の杜の色もかはらで」(新勅撰集)などの歌がある。「老蘇神社本記」によれば,昔この一帯は「地裂け水湧」くという不毛の地であったが,孝霊天皇の時,石辺大連という翁が神助を得て,松・スギ・ヒノキなどの苗木を植えたところ,たちまち大森林になったとある。昭和24年,国史跡に指定された。なお森の中には,式内社で天児屋根命を祭神とする奥石(おいそ)神社がある。現在,国道8号と新幹線により森は2分されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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