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長久寺
【ちょうきゅうじ】


旧国名:近江

柏原(かしわばら)の東,近江・美濃の国境の地。地名は真言宗両国山長久寺がこの地に創建され,寺が滅びたあと村名となったという(輿地志略)。古くは「たけくらべ」と呼ばれ,また美濃側では寝物語の里とも呼ばれた。「たけくらべ」の地名は,一説に真言宗弥高護国寺・天台宗成菩提院・禅宗妙応寺・浄土宗久長寺の4か寺の碩学が論議問答をすることを「己がたけくらべ」といった意からとも,美濃・近江の山が嶽競べする意(一条兼良:藤川記)ともいう。寝物語の別称は,この地の25軒のうち,5軒が美濃,20軒が近江に属し,壁一重を隔てて両国の者が寝ながらにして物語をするほど近いという意。実際に両国の境は小溝1つを隔てていたという。しかし近江の20軒は近江なまりのことばを用い,貨幣は銀を通用,美濃の5軒は美濃なまりのことばで,金を通用していたという(輿地志略・坂田郡志)。
長久寺村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
長久寺(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7133678