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南郷洗堰
【なんごうあらいぜき】


大津市南郷と大津市田上関津(たなかみせきのつ)町との間にある瀬田川の堰。現在の堰は昭和36年完成のダム形式の洗堰。全長173m・径間数十門・有効通水幅10.8m,電動式の水位調節を行い,すべての開閉は30分で可能である。建設省琵琶(びわ)湖工事事務所の管理下にあり,琵琶湖の洪水防止,水位調節と下流の工業用水と家庭用水の給水とを行っている。ダム上の道路橋の幅は5.5mで,大津市の石山地区と田上地区との連絡路として重要性が増してきている。旧洗堰は明治35年の黒津・南郷間淀(よど)川改良工事の一部として明治37年に竣工(大津市史),延長約180m・工費25万円を要した(栗太郡志)。通水幅3.6m,36門の角落し堰であった。この赤煉瓦製の旧洗堰は,角材を抜き差しして水位の調節を行うため,すべての開閉には丸1日かかったという。新洗堰の完成とともに,昭和41年に撤去,新洗堰からおよそ120m上流に一部が保存されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7134180