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朧清水
【おぼろのしみず】


京都市左京区大原草生町にある歌枕の名水。国道367号の大原バス停前から寂光院に向かう道路付近にあり,「朧の清水」の標札が立っている。建礼門院が寂光院に入るに際してこの池水に姿を映したとの伝承があり,その時,涙で池中の姿がはっきり見えなかったこと,あるいは,それが朧月夜であったので,この名がつけられたといわれる。しかし,建礼門院が大原に隠棲する前に詠まれた古歌などに朧清水が出ていることからも,この説はあたらない。もともとこのあたりは朧里とも呼ばれたが,「おぼろ」は「おはら」(大原)の転訛と考えられる。同名の清水は西京(にしぎよう)区大原野地区の小塩山付近にもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7137958