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千代の古道
【ちよのふるみち】


千世の古道・千代の旧道とも書く。山城の歌枕。「山州名跡志」は「於池東凡三町許処東西ニ通ル道ノ名也……按此ノ濫觴出行平朝臣詠歌」として,京都市右京区の広沢池の東方約330m付近を東西に常盤へ通じる道とする一方,嵯峨天皇以来の旧例が再開され,仁明天皇が芹川(城南宮付近)に行幸した際,在原行平が「嵯峨の山(嵯峨天皇)御幸絶にし芹川の千代の古道跡はありけり」と歌ったのが,この名のはじまりであるとする。さらに同書は,「千代ノ古道トハ久シキ行幸ノ例ヲ曰フ也」と記し,芹河御所の項には「千代ノ古道ハ旧例ノ義千代ヲ経ノ謂ナリ。名所ニハアラズ」と記す。また,天竜寺の背後の亀山をめぐる山道とする説もあり,歌枕であったものが,後世には実際上の道をさすようになったものと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7142554