王子
【おうじ】

旧国名:和泉
槇尾川下流北方,信太(しのだ)山北西部に位置する。字名に古代条里制の遺称壱ノ坪が残る。地内の聖神社は「延喜式」神名帳のうちに見え「旧事地神本紀」によれば,素戔嗚尊の子大事神が須沼比神の娘伊怒姫を娶って生んだ5柱の神のうち,一番末を聖神といい,同神を祭神としている(和泉市史1)。同社は貞観元年5月7日には官社に列し,同年8月13日に「和泉国従五位下聖神」に「従四位下」が授けられたことが見える(三代実録)。同社はいわゆる和泉三宮にあたり,信太大明神とも呼ばれ,神域一帯は森林に囲まれ信太森といわれている(和泉市史1)。また当地には熊野参詣九十九王子社の1つである篠田王子があり「明月記」によると,後鳥羽院の熊野参詣の際,建仁元年10月6日「篠田王子」で禊が行われたことが見えるが,同王子は当地内にあったという(全志5)。また地内には,鎌倉期の「感身学正記」に見える中尾寺があり,室町期には地内聖神社境内の一部が同寺に寄進されている(永源師檀紀年録)。
【王子村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【王子(近代)】 明治22年~昭和35年の信太村の大字名。
【王子町(近代)】 昭和35年~現在の和泉市の町名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7148039 |





