100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

大阪南港
【おおさかなんこう】


港域としては,木津川河口前方の埋立地を中心として,大阪港の南西部をさす。埋立事業は昭和9年から着工されたが,第2次大戦で中断され,防波堤と埋立地の一部の造成にとどまった。昭和33年に南港を工業港とする大阪港改訂港湾計画が決定され,翌年から本格的に埋立地の造成が始まった。しかし,昭和42年からは,公害問題・都市問題などをかかえた当時の社会経済情勢に対応して,住宅やレジャー施設を併設する総合的な流通基地としての商港建設計画に全面改訂された。南港内港区域では,一区の西岸に国内フェリーが航路別に発着するフェリー埠頭が設けられ,北岸には複合トラックターミナルが完成している。一区と南港大橋で結ばれている二区・三区では,二区の東岸に外貿コンテナ埠頭,北岸に木材埠頭,三区の中央部に中央公園やポートタウンが建設されている。コンテナ埠頭は,オーストラリアをはじめヨーロッパ・北アメリカ・東南アジアの各航路に就航するコンテナ船でにぎわっている。ポートタウンは,人口4万人を収容する約68.7haの高層住宅街として計画され,昭和56年から地下鉄住之江公園駅とを結ぶ大阪市営の新交通システム(ニュートラム)が乗り入れている。また,対岸の大阪市港区とを結ぶ阪神高速大阪湾岸線の港大橋も昭和49年に完成した。南港の西方は北・中・南の3埠頭を有する南港外港区域で,北埠頭の西端には野鳥公園,南埠頭の西端には魚釣り公園が設けられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148103