千歳の渡し
【ちとせのわたし】

大正内港の渡し。大阪市大正区鶴町３丁目と北恩加島２丁目を結ぶ。全長371m。第２次大戦後の大阪港復興工事の一環として大正区内の内港化が行われた時，千歳橋の撤去に伴って，その代替施設として昭和29年に開設された。内港化によって水没した地域を新千歳町といい，弘化２年に開発された千歳新田であったことと，撤去された橋名とも関係して渡船の名称となった。当初は個人営業であったが，昭和32年から大阪市直営となり，現在に至る（大阪港史）。昭和30年代には造船所などへの通勤に多く利用されたが，近年，利用者は減少している。１時間３回運航し，昭和54年現在，１日平均820人が利用。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7151472