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中之島
【なかのしま】


大阪市北区の南部,旧淀川にある川中の島。北側を堂島川,南側を土佐堀川が流れる。船場・島之内とともに大阪の中心部をなす。東部に中之島公園・中央公会堂・府立図書館・市役所・日銀大阪支店,中部に新朝日ビル・朝日新聞社・関電ビル・大阪ビルなどのオフィスビル,西部にロイヤルホテル・国際貿易センター・中之島センタービルなどがあり阪神高速が交錯し,この一帯は大阪でも代表的な近代的都市景観を呈する。東部は大正期に当時としては先進的な西欧型のシビックセンターを形成,これが今日に継承されている。中部は住友生命・三井物産・三井不動産・関西電力・朝日新聞などの大手企業の本社や支社が蝟集してビジネス地区をなし,フェスティバルホール・新朝日ビルホール・グランドホテルなどもある。西部は学校・工場・倉庫の地であったが,1960年代以降都心化が進み,ホテルやビルが建ち,西端に高速道路が通じて次第にビジネス地区化しつつある。当地は,元和年間,淀屋常安によって開発され,江戸期には各大名の蔵屋敷が集在した。その数は延享4年36,文化11年41で,全体の40~44%を占め,ここに諸国産物が集められてのち,売却されたので,天下の台所の淵源をなした。明治以後これらの蔵屋敷地が官公庁・ビル・工場・倉庫・学校などに転用され,今日のシビックセンター・ビジネスセンターへと発展した。船場とちがって近代的ビルの景観が目だつのはこうした歴史のためである。たとえば,日銀支店は島原藩,中央公会堂は浜田藩,阪大医学部は広島藩,ロイヤルホテルは熊本藩,関電ビル・三井ビルは黒田藩の各蔵屋敷跡,朝日新聞は宇和島藩邸跡である。なお,中之島西部にあった大阪大学本部は千里へ移転し,跡地利用とも関連して,現在中之島全体の整備開発計画が企てられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7152165