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難波島の渡し
【なんばじまのわたし】


木津川の渡し。近世の新田開発に伴って運航された渡しのうち現存する渡しの1つ。大阪市浪速(なにわ)区木津川2丁目と大正区三軒家東3丁目を結ぶ。全長75m。市道西浜北通線の道路指定を受ける。近年は利用者が減少し,昭和54年現在,1日平均150人程度が利用する。難波島は木津川と三軒家川に挾まれた中洲で,「摂津名所図会大成」に「昔日難波の住人ひらきし所なれバ此島の名とするにや」とある。元禄12年の木津川改修により二分され,北を月正島,南を旧名から難波島と呼び,両者を結ぶ渡しが設けられたのが最初と思われる。新田化ののち船大工の多いところとなり,明治期以降は回船業の発達に伴って対岸の三軒家とともに繁栄し,近年まで中小の造船所が多く立地した。これにより渡しの利用も通勤客が中心となって現在に至る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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