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三島鴨神社
【みしまかもじんじゃ】


高槻(たかつき)市三島江2丁目にある神社。旧郷社。祭神は大山祇命,鴨事代主(かもことしろぬし)命。社伝によれば,当社は伊予国・伊豆国の三島神とともに3三島社の1つと称した。「風土記」伊予国逸文に,伊予国乎知郡御島にある大山積神(愛媛県大三島町大山祇神社)は,仁徳天皇の時,百済国から摂津国御島に渡り来て,のち伊予に移ったと見える。また「三代実録」元慶8年12月21日条に,摂津国正六位上三島神に従五位下を授くとある。しかし「風土記」「三代実録」の三島神が三島鴨神と同一神であるとは言いがたい。すなわち,三島鴨神とは「延喜式」神名帳島下郡条に見える神名で,三島に鎮座する鴨神の意であり,三島神とは一応区別されるもの。さらに当社が,「摂陽群談」や「五畿内志」のように「延喜式」の三島鴨神に比定しうるかどうかも不明。高槻市内には赤大路町にも鴨神社があり,こちらは古くは島下郡に属してやはり三島鴨神社を名乗っていたと伝える。ところが当社の地は古くより島上郡に属し社名も以前は幾島明神と称していたといわれているので(大阪府史蹟名勝天然記念物2),「延喜式」の記載と一致しない。現在は,赤大路の鴨神社が古来の三島鴨神社であろうと推定されている。このように当社の中世以前の沿革には不明な点が多い。もとは東方の淀川に張り出した地にあったが,慶長3年の淀川堤防修築の時現在地に移された(同前)。元和5年には領主松平紀伊守が社領2石を寄進。明治5年郷社に列した(同前)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7153986