明治の森箕面国定公園
【めいじのもりみのおこくていこうえん】

箕面市箕面に明治100年を記念して指定された国定公園。面積963ha。昭和42年指定。箕面市北部の山地で，大都市近郊に自然を残し，森林公園としてレクリエーション地を確保するため，東京都八王子市の高尾山とともに明治の森と称されることとなった。東海道自然歩道の西の起点である。この公園の核心部は，明治31年開設された府営箕面公園で，府は明治40年滝安寺から園地83.7haを買収して整備した。当地は秩父古生層からなる老ノ坂山地の南縁に当たり，箕面川の渓谷に沿って落差30mの大滝がある景勝の地で，役小角にはじまる滝安寺や勝尾寺があって江戸期から知られた。とくに紅葉は探勝の的であり，明治43年箕面有馬電気軌道が通じて行楽客が増えた。域内はまた野猿や144科・984種にわたる多様な植物，3,500～4,000種の昆虫など自然の宝庫で，自然観察の適地でもあり，昭和28年昆虫館（約4,000種・１万点）が設けられ，同38年から諸施設，修景等の整備が行われた。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7154457