山陰海岸国立公園
【さんいんかいがんこくりつこうえん】

鳥取・兵庫・京都の３府県にまたがる国立公園。海岸線は京都府の奥丹後半島から鳥取県の鳥取砂丘までの約117kmに及ぶ。面積89km(^2)。県内では豊岡市，城崎(きのさき)郡城崎町・竹野町・香住町，美方郡浜坂町にまたがる。昭和30年に国定公園，同38年国立公園に指定された。冬の荒い日本海の波浪によってできた断崖絶壁や小さな入江や砂浜が印象的な海岸をなす。春から秋にかけて，波が穏やかで青く澄んだ海は，関西方面からの観光客を集めている。公園域には，県下では，東から豊岡海中公園，竹野海中公園，浜坂海中公園や，内陸に玄武洞があり，加えて城崎温泉・浜坂温泉など温泉にも恵まれ，竹野には国民休暇村，香住には自然休養村がある。交通は，ＪＲ山陰本線が竹野から居組まで海岸沿いに通り，城崎から訓谷までは但馬海岸有料道路が通る。海岸には，安山岩・流紋岩などの火成岩や堆積岩特有の柱状節理や断層が波浪によって削り取られ，海食崖・海食洞・岩礁・甌穴などが発達する。なかでも香住海岸には柴山赤壁や鎧ノ袖・鷹巣島・孔雀洞門・松ケ崎など多くの景勝地が知られており，竹野海岸にも竹野浜や猫崎半島の甌穴群がある。浜坂海岸は御火(みほの)浦と呼ばれ，千賊断崖・竜宮洞・白島・諸寄浜などがある。気比・竹野・三田浜などの海水浴場も多い。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7158852