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飾磨川
【しかまがわ】


鹿間川とも書く。現在の姫路市域を流れ,播磨灘に注いでいた川。「万葉集」巻15に「わだつみの海に出でたる思可麻河泊(飾磨川)絶えむ日にこそあが恋やまめ」と見え,「新続古今集」には「しかま川渡る市人こと問はんうき瀬をかふる道はありやと」と詠まれた歌枕。「万葉集」巻7に見える飾磨江は河口付近の入江で,同じく巻6に見える「都太(つだ)の細江」と同所とされ,都太は江戸期の飾磨郡津田村,現在の姫路市飾磨区今在家付近に比定されることから,飾磨川を現在の船場川とする説が有力であるが,現在の市川とする説もあり,確定しない。たとえば「播磨名所巡覧図会」は「飾磨川は古への大川也。今はなし。今雲見川といひて通船の有は後世に掘りたるなるべし。市川をいへるともいへり」とし,「地名辞書」では船場川を御祓川と同じ川とし,一説に雲見川というとして,この川筋を飾磨川としている。松岡静雄の「日本古語大辞典」は,長畝川を市川と同じとし,これを飾磨川とする。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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