100辞書・辞典一括検索

JLogos

6

洲本港
【すもとこう】


淡路島東岸の中央部,洲本市にある地方港湾。淡路島の海の玄関。洲本が淡路の中心となるのは,寛永8年の由良引け以降で,由良(洲本市)にあった政庁・寺院などが洲本へ移され政治・経済の中心として整備された。当港もその一環として修築され,御所船・早船の拠点となった。当時は洲本川の河口港で,漁師町の船溜が港湾として利用されていた。明治期,阪神地方との航路が開けたが,河口港のため港内が狭く,河川流送土砂の堆積により水深が浅いため大型船舶は入港できなかった。また排水が悪く,浸水・洪水の害を受けることもあった。これらを一挙に解決して近代産業都市へ脱皮させたのが,洲本川付替え洲本港湾大改修工事であった。明治35年着工,同37年完成により旧河港が内港として整備され,旧洲本川流路の埋立地に鐘紡第2工場が誘致された。第2次大戦後,島内産業の振興に伴い,海上出入貨物量が増加し,阪神地方からの観光客も増加の一途をたどった。昭和28年,最大船舶2,000総tを対象とする観光港建設を骨子とし,外港建設計画が立案された。昭和38年埠頭用地造成工事が竣工,外港供用開始と同時にみなと会館も完成し,淡路島観光の玄関となった。洲本川の左岸に第1種漁港である炬口(たけのくち)漁港がある。昭和36年洲本~深日(ふけ)(大阪府)間のフェリーボートが就航した。淡路島を中継とする本州~四国間の各種フェリーの就航により陸上自動車交通が中心となり,洲本港の乗降客が減少した。しかし,昭和48年から就航した時速25ノットの高速艇の就航により,旅客を呼び戻している。本四架橋・淡路縦貫道路の対応として,昭和56年洲本湾岸地域総合整備基本計画が策定された。中浜地区を埋め立てて都市再開発の拠点とし,湾岸道路建設により四国に直結する新しい淡路の玄関づくりを目指している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7159979