多紀連山県立自然公園
【たきれんざんけんりつしぜんこうえん】

篠山盆地の北方一帯，東西20kmに連なる多紀連山を主地域とする県立自然公園。篠山市，氷上郡春日町・市島町にまたがる。昭和32年指定，同40年拡域。面積93.09km(^2)。全山中・古生層のチャートからなり，急峻な岩場が多い。主峰の三岳を中心に，東の小金岳，西の西ケ岳などからなる。四季を通じ数多くの植物に恵まれ，ことにツツジ・シャクナゲ類が多く，イワカガミ・オサシダなどの高山植物もある。ウルシ・ヌルデ・カエデ・ケヤキ・ナラの紅葉と晩秋の雲海の景観に優れる。山中にはイノシシやサルなどの野生動物が生息する。また園内の山々は鎌倉～室町期丹波修験道場の山として栄え，新金峰山大岳寺をはじめ，その跡を随所に残す。毎年５月の山開きの行事は，山伏姿で吹く法螺の響きとともに盛大に行われる。また，主要観光対象には篠見四十八滝・日ケ奥渓谷・篠山城址・神池寺などがある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7160400