西宮砲台
【にしのみやほうだい】

江戸末期,築州台場に築かれた砲台。西宮市西波止町に所在。大阪湾に臨む海浜にあり,幕末,外国船から大阪湾を防備するため,勝海舟の設計により文久3年に着工,慶応2年の完工。構造は,高さ12m,直経17mの円形で,外部は2階にみえるが,内部は3階で,2階に方形の砲眼を12個設けた石堡塔を中心に,直経75mの土塁による円堡で囲み,山側を開いて入口とし,堡塔との間に一文字土居を設けた。築造後,和田岬・川崎・今津とともに大阪湾の防衛に備えたが,間もなく明治維新を迎え,実戦には使用されなかった。和田岬とともに数少ない遺構として現存し,大正11年国史跡となり,昭和50年堡塔の外装を修理し,円堡の一部も現存する。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7161952 |





