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日笠ノ浦
【ひがさのうら】


日笠山南方,高砂市曽根町と姫路市大塩町間に比定される海岸。「印南野は往き過ぎぬらし天伝ふ日笠の浦に波立てり見ゆ」(万葉集巻7)と見え,「日本書紀」の推古天皇11年当麻皇子の従妾舎人姫王を葬った赤石檜笠岡を現在の日笠山とする考証による。「五代集歌枕」に播磨の名所として著録され,「堀河院御時百首」に「あまづたふ時雨に袖はぬれにけりひがさのうらをさしてきぬれど」と詠まれその呼称に興味が持たれていた。また鎌倉期,藤原為家は「くるるまにすずきつるらしゆふしほのひがさのうらにあまの袖見ゆ」と,落日を阿弥陀被りの笠に見立てた夕日の美を想起する海の名所として詠んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7162588