奥吉野発電所
【おくよしのはつでんしょ】

吉野郡十津川村旭に建設された発電所。関西電力により昭和46年に着工し,同53年より一部運転を開始。同55年4月には,総工費786億5,000万円をかけて完成し,全機が運転を開始した。十津川上流の瀬戸谷川に建設されたロックフィルダムの瀬戸ダム貯水池を上部調整池とし,同じく十津川上流旭川のドーム型アーチ式ダムである旭ダム貯水池を下部調整池として,この間を地下発電所を通じて延長約1,750mの圧力水路と水圧管路で結んでいる。有効落差は505m,最大使用水量毎秒288.5m(^3)により最大出力120万6,000kwを誇る大容量循環式純揚水発電所。需要の減る夜間にも運転を止めることができない火力発電や原子力発電の余剰電力を利用し,夜間に下部貯水池から上部貯水池に揚水し,昼間の需要ピーク時に上部から下部へと水を流して発電する方法を採用している。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7165933 |





