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佐味
【さみ】


旧国名:大和

大和川支流曽我川と飛鳥川に挟まれた地域に位置する。地名の由来は旧十市郡の西の郡界にあり,際が「さひ」に転訛し,さらにさみとなったともいう(磯城郡誌)。環濠集落の遺構が残る。古代氏族佐味氏の居住地。佐味の氏名は,のちの上野国緑野郡佐味郷(現群馬県藤岡市平井付近)の地名による。旧姓は君で,天武天皇13年に朝臣の姓を賜った(天武紀13年11月戊申条)。「姓氏録」右京皇別上に「佐味朝臣。上毛野朝臣と同じき祖。豊城入彦命の後なり」とあり,東国出身の豪族と考えられる。宝亀8年7月2日大和国符(東寺文書/寧遺中)および同23日民部省牒(安藤文書/寧遺中)に「元故従四位下佐味朝臣宮位田」が十市郡内に存在したとあり,平安期には弘福寺領佐位荘に発展する。佐味朝臣宮は真宮とも記し,宝亀3年に正六位上から外従五位下に昇叙され(続紀宝亀3年正月辛卯条),同7年に散事従四位下で卒した宮人と考えられる(同前7年5月己亥条)。
佐味(中世)】 室町期から見える地名。
佐味村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
佐味(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7167142