小塔院
【しょうとういん】

奈良市西新屋町にある寺。真言律宗。本尊は虚空蔵菩薩。奈良期の元興寺内の西方に小塔堂を中心として小塔院があり,東方に五重塔を中心とする大塔院があった。小塔院には吉祥天女を祀り,8万4,000の小塔が安置されていた(七大寺巡礼私記)。「続後紀」承和元年9月戊午条に,「僧正伝灯大法師位護命卒……天長四年特任僧正,年八十五,終于元興寺小塔院」とあり,現在その護命僧正の供養石塔(鎌倉期)が当寺境内にある。宝徳3年10月14日元興寺は土一揆のために小塔院から出火し,金堂以下主要堂宇を焼失した。このあと周辺に人家が立ち並び寺地は次第に狭められて,小塔院は町並みに囲まれるようになる。現在の本堂は桁行2間・梁行2間・瓦葺の仮堂で,宝暦年間頃の造営といわれる。小塔院跡は国史跡に指定されているが,その遺構は未確認である。本堂の東方に地蔵堂があり,道路に南面している。墓地には室町期から桃山期にわたる五輪塔や古碑を見ることができる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7167441 |





