神南
【じんなん】

旧国名:大和
竜田川が大和川に合流する地の北西に位置する。地名は三室山(神奈備)に由来する。カムナビ(カムナミ)を神南と書いたのが,いつしか音読されて「ジンナン」となったものか。山には神岳社と神南寺があったが,「カンナビ」の由来について「竜田考」は聖徳太子が斑鳩に移った時,産土神である飛鳥の神奈備社(神岳社)をこの地に移し,それによってこの山を神奈備山というようになったのであろうと記し,「地名辞書」もこの考えを採用している。しかし,三室山はもとから当地の神奈備であって,古くからの聖地であった。「和州巡覧記」が「ここを神南と名づけし事は立田明神の南にある故なるべし」とするのも首肯できない。「万葉集」に見える「かんなびのみむろのやま」は飛鳥の神岳か三輪山を指すと考えられるが,「古今集」以後には,竜田川とともに詠み込まれていて,現在の斑鳩(いかるが)町神南にある三室山に比定される。また「万葉集」に詠まれる「神名火の 磐瀬の社」(1419・1466),「もののふの 磐瀬の社」(1470)の比定地の1つでもある。さらに,「甘南備真人」(続紀天平12年9月己丑条・姓氏録左京皇別)の氏姓や,「万葉集」に見える「神南備の里」(1125)の地名は,当地にちなむとする説もある。
【神南(中世)】 鎌倉期から見える地名。
【神南村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【神南(近代)】 明治22年~昭和58年の大字名。
【神南(近代)】 昭和54年~現在の斑鳩町の町名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7167548 |





