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奈良公園
【ならこうえん】


奈良市登大路町・高畑町・春日町・雑司町にまたがる県立都市公園。面積659.89haに及ぶわが国最大級の都市公園。明治13年2月14日,公園開設が認可された当時は,旧興福寺境内と猿沢池近辺,春日野など約14.7haに限定されていたが,同20年11月奈良県の再設置の実現により,奈良県は東大寺以下の旧社寺境内地や春日山官林を加えた500町歩余を公園地とした。同21年には一部民有地を含め,面積は約517haに拡張,同23年に管理運営が県に移され,県立奈良公園が発足する。当時は,民有地を買収して区域を拡大したり,桜・紅葉の植樹や山林保護のための杉・檜の補植など積極的な整備が進められた。また,公園に遊ぶ神鹿が構想され,神鹿保護会も作られた。同32年,春日奥山周遊道路の開設で,ほぼ公園の整備が終了。大正11年,国名勝奈良公園の指定を受け,同13年には春日山原始林が天然記念物に指定,続いて昭和7年東大寺旧境内が,同11年鶯塚古墳がそれぞれ国史跡となる。同30年,春日山原始林が国特別天然記念物,同32年には奈良の鹿が国天然記念物に指定された。当公園は,同38年からは都市公園法に基づき,「奈良県立都市公園,奈良公園」として管理運営されている。猿沢池の水面に映える興福寺五重塔,蓬莱池の浮見堂,若草萌える三笠山を背景にした東大寺大仏殿など数多くの神社仏閣と,園内の正倉院や国立博物館に所蔵されている国宝・重要文化財は,枚挙にいとまがない。加えて巨木老木が点在する浅茅ケ原,飛火野に群れ遊ぶ春日神社の神鹿は,観光奈良・古都奈良のシンボルとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7168526