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阿尾港
【あおこう】


日高郡日高町にある県下唯一の第4種避難漁港(昭和27年指定)。紀中(中紀)の海岸の中間に位置する中核漁港で,山を境にアメリカ村三尾の北側にある。里謡に「比井は船どこ阿尾浦漁どこ中の産湯は百姓どこ」といわれるごとく,阿尾は藩政期から漁業に重点をおき,昭和初期までは区網のイサギ網・ハマチ網と手繰網が基本であった。大正年間,阪神の業者が紀伊水道に面した日高郡北部沿岸漁村に貸与操業させた縛り網による打撃を受けたが,これへの対抗もあって創設された会社と曲折のすえ,2年後の昭和10年にできた会社との2社による巻き網(巾着網ともいい,39t型2艘巻き中型巻き網2統)が,阿尾の代表的な漁業としてすでに50年近い歴史をもつ。昭和30年から始まる数次の漁港整備計画により,防波堤・岸壁・泊地の浚渫・船揚場・北防波堤・東防波堤・埋立造成等が完成した。漁民センターも建設予定。比井崎漁協下の販売事業は,阿尾の本所と比井の支所とで行われているが,阿尾の魚市場は昭和39年に沿岸漁業構造改善事業で建設された施設を中心に,約2,000m(^2)の卸売市場をもつ地方卸売市場で,取扱高は県下では勝浦・箕島・田辺・串本に次ぐ5番目。漁獲物は約60%が比井崎漁協市場へ上場され,約40%は2つの巻き網会社から直接消費地の中央卸売市場へ出荷される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170206