100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

有田港
【ありだこう】


特定重要港湾和歌山下津港の南部に位置し,有田市初島町浜から宮崎町の辰ケ浜,有田川に架かる安諦(あで)橋までの水域を占める。このうち,有田川河口北岸(港町)は,北湊といわれる河口港で,中世から有田ミカン積出港としてにぎわい,宮崎商人(箕島村の商人)が伊万里焼を仕入れ,廻船を利用し,上方,尾・勢州,江戸通いなどの商いをした。明治期に入っても,ミカンのほか,除虫菊製品・木材等の集散地として栄えた。現在は陸上輸送の発達のため,小漁港として,また小型運搬船の船溜・係留地としての機能を残すのみである。一方,市の西部の港町の海岸楚都浜および北西部初島町浜の海岸はいずれも砂浜海岸であったが,昭和30年代から県北部臨海工業地帯の南部として埋立てが完成。石油・電線・製材・除虫菊製品等の工業と有田ミカン産地を背景に将来が期待されている。しかし,原油の輸入,石油製品の積出しの多いのに比して他産業の原料・製品はトラック輸送がほとんどで港の利用が少ない。石油関係以外では,土木建築資材(砂・バラス・原木)の陸揚げがみられる程度である。当港南部は箕島港の区域で,漁港区となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170314