100辞書・辞典一括検索

JLogos

25

飯盛鉱山
【いいもりこうざん】


那賀郡那賀町西脇にあった銅鉱山。近畿地方の層状含銅硫化鉄鉱床中最大の鉱床であったが,昭和43年閉山。飯盛鉱床は古生代三波川系変成岩の緑色片岩層に厚さ3~7m,走向N‐79°‐WからN‐33°‐W,傾斜40°S~60°Sで,落とし延長約4,100m,落とし幅250mが採掘された。鉱床の成因は別子銅山と同じ結晶片岩の動力変質作用か竜門超盤基性岩(蛇紋岩)を主とする火成岩の影響による。鉱石鉱物は黄鉄鉱を主とし,黄銅鉱,少量の斑銅鉱・閃亜鉛鉱・磁鉄鉱を含む。開発は明治11年西脇の休場幸右衛門が露頭を発見し,同20年奈良県五條の鉱業家栗山藤作が経営し,のち京都府の中江種造,大正8年古河鉱業株式会社が買収し本格的採掘を行う。昭和45年閉山。この間の産出粗鉱量は約270万t(銅1.3%)。昭和53年の採掘権をもつ企業は,那賀町の栄鉱業・万珠鉱業が主でその鉱区は飯盛山を中心に,東は伊都(いと)郡かつらぎ町上天野,西は和歌山市禰宜にかけてである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170338