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潮岬灯台
【しおのみさきとうだい】


西牟婁(にしむろ)郡串本町潮岬にある灯台。半島南西部に位置する。「日本汐路之記」にも「紀州塩の岬 出鼻(でばな) 大島へ半里。大島の鼻ともいう,地方に小島,磯多し汐流早くして変化あり,船乗(ふなのり)大切の所なり,岬に常夜灯あり」とある。潮岬は古くからの海上交通の要所であった。現代の灯台建設は元治元年の四国艦隊下関砲撃事件によって,慶応2年に結ばれた江戸条約がきっかけで始まった。樫野灯台とともに同条約で全国10か所に建設されることになった灯台群の1つ。イギリス建設技師団の指導で明治2年着工,同5年9月点灯。最初は木造灯台だったが,同11年4月,現在の石造灯台に改築。高さ19m,当時の光度1万8,000燭光,光達距離20海里(約37km)。現在では,80万カンデラ(約80万燭光),光達距離19海里(約35km)。海上保安庁串本航路標識事務所管轄。昭和8年,灯台を訪れた高浜虚子の句碑「灯台を花の梢に見上げたり」が敷地内にたつ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7171776