塩屋港
【しおやこう】

御坊(ごぼう)市塩屋町北塩屋・塩屋町南塩屋にある漁港。北塩屋港（第１種漁港）と南塩屋港（第２種漁港）がある。塩屋砂丘は日高川河口から尾ノ崎まで新旧２列が並行し，２つの砂丘の間に低湿地の痕跡も残っていたが，国道敷設により現在では不明瞭である。新砂丘は海岸防潮林となっているが，ハマボウの群生も見られる。旧砂丘の上に旧国道が通り，塩屋の列村が立地している。塩屋町北塩屋は現在地引網漁業を操業しており，北塩屋港は権現崎の北側に係船波止場が設けられている。塩屋町南塩屋は地引網・手繰網・一本釣りと多くの漁法を駆使していた。南塩屋港は尾ノ崎の北側にあり，1,000m沖の鰹島を真西に望んでいる。昭和55年より，尾ノ崎と鰹島を結ぶ線の北側海域にわが国で最初の人工島方式による御坊発電所（火力）の建設が進められ，南塩屋地先海面約35万m(^2)を埋め立て，総出力180万kw（１～３号機，各60万kw）の発電所の操業も昭和59年度に始まった。この発電所建設に伴う漁業補償等で漁港ならびに漁業経営の近代化が進展し，南塩屋港は面目を一新した。北塩屋集落北端の日高川河口から日高郡美浜町側の西川河口にかけて新しい日高港湾構想もある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7171784