100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

下津港
【しもつこう】


海草郡下津町にあり,特定重要港湾(昭和40年指定)和歌山下津港の主要港。下津湾は長峰山脈が西の紀伊水道に没する典型的なリアス式海岸で,当港は水深15mの天然の良港である。下津湾の大崎港は古代から知られ,四国への船出港として「続日本紀」天平11年3月の条に見える。また,江戸期の紀伊国屋文左衛門ミカン積出しの伝説の地でもあり,明治期以後も大阪商品を積んだ紀州航路の船が寄港した。湾奥の当港はかつては漁村で,荒天時の風待港にすぎなかったが,大正13年,紀勢西線(国鉄紀勢本線)の開通に伴い下津駅が設けられ,海陸の結節点として注目を浴びた。昭和13年丸善石油,同15年東亜燃料と,2つの臨港石油工場が建設され,10万t級タンカーの接岸が可能になったことから,当港は石油港湾として急成長し,和歌山下津港として特定重要港湾に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7171909