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白崎海岸県立自然公園
【しらさきかいがんけんりつしぜんこうえん】


日高郡由良町にある県立自然公園。昭和34年指定。面積580.5ha,うち特別地域467ha。昭和33年7月3日県立公園の指定を受け,のち県立自然公園となった。由良町の三尾川から由良湾北岸神谷崎に至る海岸と興国寺境内の飛地からなる。西有田県立自然公園の南に位置し,紀伊水道に面してリアス式海岸が続く。石灰岩の特異な景観で知られる白亜の岬と,虚無僧の寺として有名な興国寺を主とする公園区域。護摩壇山から西走する白馬山脈が紀伊水道に突出した中生代白亜系の地層に古生層の石灰岩が挟在し,その露頭が海に突出した白崎は「白崎は幸く在り待て大船に真楫繁貫きまたかへり見む」と歌われ,万葉の歌枕としても知られる。石灰岩は紡錘虫類などの化石を含む。溶樹(アコウ)の茂る衣奈(えな)・小引・大引の海岸は海水浴・海釣りに適し,少年自然の家がある。海岸から離れた山腹にある興国寺は,安貞元年に創建され,建長6年に法灯国師覚心が開山した臨済宗の寺院で,盆に灯籠焼(県無形民俗文化財)が行われる。衣奈の沖に浮かぶ黒島は密林状自然林に覆われ,はかまかずら自生北限地として県天然記念物。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172012