田並港
【たなみこう】

西牟婁(にしむろ)郡串本町田並にある第１種漁港。田並湾の西側には田ノ崎が南に突出し，東は犬戻・台の鼻が南東に広がる。湾の幅は約400m。「南紀徳川史12」には「釣舟大小十艘，中船一艘，えさあみ五帖，鰘あみ一帖，飛魚あみ二帖，細魚あみ二帖，磯打ちあみ二帖，毎日漁師八十人程」と記録されている。昭和47年の泊地面積2,400m(^2)，漁船29隻，総トン数63t，同55年では漁船26隻，総トン数11t。小型漁船で一本釣りかエビ刺し網程度。昭和44年，国道42号の舗装改修工事によって旧漁港がつぶれ，代わりに田ノ崎の西側，野(のうなぎ)漁港（第１種漁港）を改修して，ここに漁船を移した。昭和47年の野漁港の泊地面積は４万1,800m(^2)，漁船17隻，総トン数71t，同55年，漁船36隻，総トン数129t。ケンケン漁と，夏はイカ釣り，秋はブリの一本釣りが多い。他にエビ刺し網，アワビ・ナガレコ・天草などの採貝採草漁業などが行われている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7172387