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西有田県立自然公園
【にしありだけんりつしぜんこうえん】


有田市・有田郡湯浅町・同郡広川町にまたがる県立自然公園。昭和34年指定。面積653.5ha,うち特別地域640.5ha。昭和31年11月1日県立公園の指定を受け,のち県立自然公園となった。当初は有田川河口右岸楚都浜(そとはま)松原・鳥屋城(とやじよう)山・霊厳寺山・雲雀山・須佐神社などを含んでいたが,昭和47年解除した。有田川河口左岸宮崎ノ鼻から湯浅湾南部西広浜に至る海岸,紀伊水道に臨む県北西部リアス式海岸とその背後に迫る特産ミカンの栽培風景が中心である。背後に山の迫るリアス式海岸の小入江には,矢櫃(やびつ)・逢井(おい)・高田・田・栖原・唐尾などの小漁村が点在,その間に岬の岩礁が突出する。有田ミカン発祥の地で,海岸に沿う尾根を通るハイキング道路オレンジウエーからは,南の岩石海岸と北の有田川流域のミカン山が眺められる。明恵上人八所遺跡(国史跡)の1つ,白上峰に続く施無畏寺からは,湯浅湾に浮かぶ鷹島や明恵上人遺跡のある刈藻島(県史跡)などの島影が遠望できる。湯浅湾の南に突出した名南風(なばえ)鼻の石灰岩層には日本最古のサンゴの化石がある。湯浅湾の天洲松原には,湯浅醤油を興した浜口梧陵によって築かれた広村堤防(国史跡)がある。浜口は,安政の大地震の際,稲束を燃やし,注意を引いて人々を津波の被害から救った「いなむらの火」の話で知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172853