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日置港
【ひきこう】


西牟婁(にしむろ)郡日置川町の南部,日置川河口部の水深を利用した地方港湾(昭和26年指定)。天然の良港で,古地図には「川湊此湊潮時不搆舟掛自由」とあり,藩政時代には廻船の寄航地で「材木の廻船数艘諸国に通ひて繁栄」(続風土記)し,二分口役所もあった。しかし,大正元年の汽船の乗船数は1,679人,下船数は2,101人で,西牟婁郡内では田並港に次いで利用者数は少ない(旧県誌)。昭和11年紀勢西線(国鉄紀勢本線)紀伊日置駅が開業すると,旅客はほとんどなくなり,貨物港に変貌した。同27年の入港船舶は1万387隻,うち入港貨客船2,754隻(機帆船),おもな移出品はバラス・木材,移入品は木材・油類(日置町誌)。当港はまた漁港でもあり,昭和54年の港勢調査によれば水揚高160.8t,金額1億8,000万円。カツオ・ヨコワ・イカ・タイなどが水揚げされた。湾口には光達距離10.5海里,不動紅光,光度1,200カンデラの日置港灯台が,海面上8.6mの位置から湾内を照らし,出入船舶の道標となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7173255