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姫港
【ひめこう】


東牟婁(ひがしむろ)郡古座(こざ)町姫にある第1種漁港。海岸沿いを国道42号が通過する。文化11年の古座組惣船改では「大小舟五隻 地曳網一統」とある。二分口役所が置かれ,「南紀徳川史」では「鰹舟二艘,同小舟二艘,地曳網五帖,鰤網三帖,いわし網三帖,同小網一帖」とある。地引網は昭和40年ころまで続けられたが,現在では消滅。同49年,漁港防波堤・船揚場が建設された。同56年の港勢調査では,漁船7隻,総トン数8t。一本釣り漁船でカツオ・キス・カマスなどが水揚げされる。付近の海浜に打ち上げられる姫石は庭石などに使われ「続風土記」にも「白色の小石にて水晶の如く蛍徹するもの交れり当浦の名産なり」と見える。また,かつては海岸線に続く松林があり,明治7年の進達留(古座役場文書)に「字岩本,長さ三十四間 幅五間,目廻り七尺太さ二尺五寸以上六本,字松原,長さ弐百四間 幅九間,太さ二尺以上九十八本,字高芝,長さ三十間 幅二間 太さ二尺以上十八本」と記録されている。このほか,小さな松が多数生えていたが,昭和30年代に枯れてしまった。南には橋杭(はしぐい)岩,南東には大島,北東には九竜島・津荷を望む景勝地である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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