文里港
【もりこう】

田辺市新庄町の田辺湾奥にある港湾。田辺港管内に含まれ，その最南部に位置する。付近には木材会社・製材工場が多い。昭和21年12月21日の南海大地震によって，当港のある新庄町は津波の大被害を受けた。津波は3.5～4mの高さで，現在の国鉄紀勢本線紀伊新庄駅近くまで波が押し寄せたという。なお昭和35年５月24日のチリ地震津波でも被害があった。近年は外材の貯木で港は狭くなり，また樹皮が海底に堆積したりして海水汚濁が目立ってきた。同54年，貯木場化した当港に代わって，西方約1kmの海面を約３万3,000m(^2)にわたって埋め立て，約30億円をかけて新文里港が完成。今後は木材輸入などの貿易港としての役割が増加していくものと期待されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7173853