矢櫃港
【やびつこう】

有田(ありだ)市の南西部にある第１種漁港。西有田県立公園の一部に含まれ，急な南斜面に人家が階段状に密集して漁村集落を形成。元和年間紀伊徳川家初代藩主頼宣が熊野の漁師２夫婦をこの地に住まわせ，エビ・アワビ漁を始めさせたのが集落の起こりと伝える（南紀徳川史）。現在もエビ刺し網・アワビ漁が行われているが，年々漁獲量が減少し，転業・出稼ぎが多い。付近の海岸は魚釣りに適し，四季を通じて京阪神方面からの釣り客が多く，景観にも恵まれているため，温泉の掘削，遊園地・ホテル・釣宿が建設され，観光地化が進む。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7173892