市場村
【いちばむら】

旧国名:伯耆
(近世)江戸期~明治10年の村名。伯耆(ほうき)国久米郡のうち。小鴨川左岸の沖積地に位置する。地名の由来は,近くの村に大宮大明神があり,春秋2度の神事の7日前から当地で牛馬市が開かれたことにちなむという。各地から多くの人が集まり,近国の武士もこの市場で乗馬を求めたといわれる。鳥取藩領。村高は,拝領高682石余,「元禄郷村帳」733石余,「元文2年村分帳」770石余,「天保郷帳」750石余(うち新田高67石余),「元治郷村帳」781石余,「旧高旧領」798石余。元禄の本免は4.9,「元治郷村帳」の物成は345石余。戸数は「元文2年村分帳」75,「文久3年組合帳」79。宝暦14年・明和4年・同5年には,加藤斎宮知行所分の物成26石を倉吉町大津屋助蔵方に納入するように指示されている記録がある。氏神は奥津彦命・奥津姫命・土祖神・倉稲魂命を祭神とする市場神社。寺院は曹洞宗梅林山香岳寺。明治4年鳥取県,同9年島根県に所属。同10年宮村と合併して小鴨村となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7174264 |