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逢束港
【おうつかこう】


東伯(とうはく)郡東伯町逢束にある港。東西2本の防波堤をもって内湾を形成し漁港として使用しているが,名目は廃港。漁港にも地方港湾にも指定されていないので,港としての公告水域もない。一面玉石だったこの海岸に築港の始まったのは昭和7年のことで,沖から巨石を引き揚げ石積みをもって西側の防波堤を築いた。次いで同26年より同31年の間に新たに東側に100m程度のコンクリートの防波堤と,西側の石積みを基部に利用し,その上にコンクリートの防波堤を築造し,現在の港の姿となった。この逢束には藩政期にも港があって栄えた。当時大塚といったこの港町は戸数200戸・人口1,400人といわれ,東・中・西の3部に分かれ,庄屋・年寄・年行司を置き目代が総理した。官倉14戸に53か村の貢租米を納め,官宅2棟・役人2名がいた。「水戸(けこ)の本浦」と称し,宿駅継立所や制札場がたっていた(寛永14年万留帳/東伯町誌)。昔は,方見(かたみ)の浦・琴の浦ともいい,港湾が深く入り,入海をなしていたが,加勢蛇(かせいち)川により流出する沖積層のため埋められてしまった。現在の港を利用する漁船は赤碕(あかさき)漁港に所属する3t未満のもの約20隻。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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