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上代村
【かみだいむら】


旧国名:伯耆

(近世)江戸期~明治11年の村名。伯耆(ほうき)国日野郡のうち。日野川の支流野上川の上流部に位置する。鳥取藩領。村高は,拝領高185石余,「元禄郷村帳」185石余,「天保郷帳」224石余(うち新田高39石余),「元治郷村帳」268石余,「旧高旧領」272石余。元禄の本免は5.7,「元治郷村帳」の物成は117石余。戸口は,天保9年御案内者手帳では33戸・160人,「伯耆志」38戸・72人,「文久3年組合帳」38戸。「伯耆志」によれば,鉄山が今山に1か所あり,林は58町余を有し,産物は鼻曲桃,隣村へは南の黒坂村境へは18町,北の下代村へ7町,西の会見(あいみ)郡金山村へ36町。産土神は若一王子権現で,社地は東西40間・南北20間,社は方1間,祭日は9月19日,境内には小祠2があり,ほかに地内には小祠21,辻堂4がある。枝郷に一ノ貝があり,同地には一ノ貝神社がある。若一王子権現は紀伊国熊野三社の1つ速玉男命を祀るが,熊野浦より海上を大タコに乗り吉備国に上陸して当地に到来したとの伝承があり,俗に蛸大明神という。祭礼の日の祭事の終了後には,氏子が裸体となって願主の奉納した藁で作られた蛸の頭部を捧げ,一般の参列者は1本ずつの足を捧げて神楽にあわせて舞う蛸舞式とよばれる奇祭が行われる。拝殿には蛸の彫刻や願かけの額があり,氏子は神の守護者である蛸をあがめて現在も蛸を食べない風習が残っている。また,天皇さんと称する奉納相撲が行われ,数多くの地方力士を生んだ。若一王子権現は明治元年上代社,同5年上代神社と改称。明治4年鳥取県,同9年島根県に所属。同11年郷原村・下代村と合併して福岡村となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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