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大山隠岐国立公園
【だいせんおきこくりつこうえん】


鳥取・島根・岡山の3県にわたる国立公園。大山に嶺続きの岡山県の蒜山高原,島根県の島根半島,隠岐の島,西方の三瓶山を合わせた公園で,総面積319.27km(^2)。昭和11年2月,十和田・富士箱根・吉野熊野とともに大山国立公園の名で指定を受け,当時は面積124.03km(^2)と従来の国立公園中最も狭く,その地域が単一の県のみに所在する国立公園であったが,その後同38年4月,島根県・岡山県分を加えて現在の形となった。公園の中心である伯耆(ほうき)大山は独立峰であり,四周に異なった独特の山容を見せている。西方からは伯耆富士・出雲富士の名にふさわしく優美な山容を見せるが,東方からは峨々とした山容で峻厳な威圧感を与え,北方・南方からは北壁・南壁が断崖・絶壁をなしている。古来から修験道の山として,また信仰の中心として歴史も古く,大山寺にまつわる史跡・文化財も多い。また,海岸から1,700mの高度差を持つ独立峰として,その動植物相や気候も変化に富み,西日本最大のスキー場としても名高く,夏の登山や四季を通じての行楽のための宿泊施設も完備し,昭和40年代の大山高原ラインの完成により道路も整備され,年間260万人の観光客を集めている。主要観光地には大山連峰をはじめ,ふもとの大山寺・豪円山・寂静山・上ノ原・桝水高原・鏡ケ成・大平原(おおなるばら)・一ノ沢・二ノ沢・三ノ沢などがあり,観光の拠点大山寺集落には大山自然科学館・大山寺宝物館などの文化施設も設置されている。出雲大社・隠岐・島根半島・大山・蒜山を含む当公園は,山陰の観光地を網羅した観があるが,その中心に位置する大山は,文字通り山陰観光の拠点の1つとして,今後とも注目されてゆくであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7175801