100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

羽合漁港
【はわいぎょこう】


東伯(とうはく)郡羽合町宇野・橋津にある第1種漁港。県中部に位置する。昭和31年7月に東郷湖の海への流出口にあたる橋津川の河口港である橋津港と,外浜に面して捨石防波堤を築造し漁港として利用していた宇野港とが合併して誕生した漁港。橋津港は藩政期に藩倉がたてられ,米どころ中部の貢租米の移出を一手に引き受けにぎわった港であった。一方の宇野港は地引網漁,磯のワカメ・ウニ・イカ漁を主として小規模な漁業を営んでいた。当港は,広範囲に及ぶものであるが漁港施設が皆無に等しく,近代的動力漁法から取り残され,しかもかつては盛んであった地引網漁も廃れてきた。現在では春秋にかけての,イワシ・サバ・アジ漁などのほか,山と海と湖に加えて温泉という,後背地の恵まれた環境を訪れる,観光客相手の地引網などを行っている(鳥取の漁港)。夏期には,この漁港一帯が海水浴場となり,県中部随一のにぎわいをみせる。当港の橋津地区は漂砂の漂着が激しく,特に冬期には強い北西風によって打ち上げられる漂砂で,港口が閉塞される。このことは橋津川の河口の閉塞ということであり,これによって東郷湖畔の浸水となる。このため,港の西端に導流堤を兼ねた漂砂止めを築造したが,成果は上がっていない。今後漁港設備の充実とともに,根本的な漂砂対策が期待される。昭和54年度の利用漁船は中部漁協に所属する3t未満のもの43隻,陸揚金額は,ワカメ・ウニを主に1,800万円。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176552