100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

御来屋漁港
【みくりやぎょこう】


西伯(さいはく)郡名和町御来屋にある第1種漁港。元弘3年2月隠岐島から脱出した後醍醐天皇の船が住吉神社(現御来屋漁港)に着いたといわれ,天皇の腰掛石などの史跡が残る。藩政期には県下で3港あった冬積み可能な港の1つで,藩倉がたち,寛政14年の貢租米を輸送,慶安2年の難船などの記録がある(万留帳/県史)。嘉永年間東・西両防波堤が築造され,大正15年西防波堤118mの築造と浚渫2,350m(^2)が完了,昭和6年東防波堤87mが築造され,近代漁港の基礎が確立された。同40年県に移管されて以降局部改良事業を,同48年度からの第5次計画から現行第6次までに沖防波堤80mをはじめ,埋立てによる用地取得,物揚場の築造などが進められ,完成度の高い沿岸漁港となった。付近の海岸は大山(だいせん)溶岩流の末端で,海底はぐり石で,県内のほかの多くの場所に見られる砂と違うので地引網漁は出来ないが磯浜特有の魚貝・海藻類が豊富。同54年度の利用漁船は御来屋漁協所属の10t未満のもの41隻。陸揚金額は,ウニ・ワカメ・ブリを主に2億900万円(鳥取の漁港)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176984