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朝酌渡
【あさくみのわたり】


松江市東部,大橋川が中海(なかのうみ)に注ぐ河口付近で,南岸の馬潟(まかた)町と北岸の福富(ふくとみ)町の間。「風土記」島根郡の条に,「朝酌渡。広さ八十歩許(ばかり)あり。国庁(くにのまつりごとのや)より海辺に通う道なり」と記され,常備の渡船1隻があった。庶民の渡しである朝酌促戸渡(せとのわたり)の東にあった。公用の渡しで,奈良期は,南の意宇(おう)郡の国庁から,この渡しをわたって,朝酌郷(あさくみのさと)の朝酌下社の前を通り,島根の郡家(こおりのや)に通ずる枉北道(きたにまがれるみち)があった。八十歩は約142.5mである。この渡しは,昭和中期まで渡舟があったが,今は廃止された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7177531