100辞書・辞典一括検索

JLogos

38

十六島
【うっぷるい】


旧国名:出雲

寄居谷川・釜谷川の流域で,西・南・北を日本海に接し,中・東部は山地である。十六島湾に十六島漁港がある。地名の由来は未詳。「風土記」中,この地に比定される部分の地名表記は,弥豆堆・弥豆椎など諸本に異同があるが,字形類似による誤写として,現在通行の刊本では「許豆崎(こづのさき)」あるいは「於豆振埼(おつふるいのさき)」と改めている。前者は直後に記された許豆島・許豆浜を論拠とし,後者は「風土記密勘」に述べる慶長年間の書写本(安永3年焼失)に「於豆振田」とあり,田は畏の誤りだろうとする説に拠るもの,後者に拠れば現在の地名の起源は古代にさかのぼることになる。他に「十六島」の語源・由来については,この地は十六善神影向の地で,漁民が海藻を採り,露を打ち振るって日に乾す「打ち振るい」の語がなまってウップルイの地名が生じ,それに十六善神の前2字をあてたとする説(懐橘談),また,ウップルイは古代朝鮮語で九江(多数の湾曲の多い入江)の意,この多数の意を十六にあてて十六島としたという説(日本上代史)がある。
十六島浦(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
十六島(近代)】 明治22年~昭和29年の北浜村の大字名。
十六島町(近代)】 昭和30年~現在の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7177996